咀嚼回数を気にしていますか？ 早食いが太りやすい科学的根拠

1. 早食いが体重増加につながる理由

早食いは、満腹感を感じる前に多くの食べ物を摂取してしまう原因になります。

私たちの体は、食事を始めてから約20分後に「お腹がいっぱいだ」という信号を脳に送ります（満腹中枢が刺激される）。 しかし、早食いをすると、その20分が来る前に過剰な量を食べてしまうことが多いのです。

例えば、空腹時に急いで食べると、満腹感が来る前に大量に食べてしまいます。 この結果、必要以上のカロリーを摂取することになり、体重が増加しやすくなります。

早食いのデメリットは他にも、脂肪が蓄積しやすくなる、腸に負担がかかる、などが挙げられます。

早食いすることは、血糖値を急激に上昇させる原因にもなります。血糖値が急激に上がると、インスリンの分泌が増え、その結果として脂肪が蓄積されやすくなります。

さらに、早食いは腸にも負担をかけることがあります。十分に咀嚼されていない食べ物は、消化が不完全になりやすく、これが消化不良や腸の問題を引き起こす可能性があります。

それでは咀嚼回数について、少し科学的に深ぼってみましょう。

2. 科学的根拠：咀嚼回数と食事量の関係性

複数の研究で、咀嚼回数と食事量に密接な関係があることが示されています。よく噛んで食べることで、脳の満腹中枢が活性化し、自然と食事の量を抑えることができます。

ゆっくり食べると、消化管が食べ物を処理しやすくなり、ホルモンの分泌が適切に調整されます。これにより、過食を防ぎ、適切な体重管理が可能になります。

少し難しい話になりますが、よく噛んで食べることで、食欲に関わる3つのホルモンの働きがダイエットに効果的に調整されます。

• グレリンの減少: 胃から分泌されるグレリンは食欲を増進させますが、よく噛んで食べるとグレリンの分泌量が減少し、食欲が抑えられます。
• GLP-1の増加: 小腸から分泌されるGLP-1は食欲を抑制する効果があります。よく噛んで食べるとGLP-1の分泌量が増え、食欲抑制に繋がります。
• コレシストキニンの増加: 十二指腸から分泌されるコレシストキニンも食欲を抑制します。このホルモンは食後10〜20分で放出され、食欲を抑える作用があります。

早食いをすると、体が食欲を抑える前にたくさんの食べ物を摂ってしまうため、必要以上に食べ過ぎてしまうのです。

実際に、噛む回数を増やすことで食事量を15％減らすことができるという研究結果もあります。

体の仕組みをうまく活用して、食事量をコントロールしていきましょう！

3. 咀嚼が少ないとエネルギー消費が減ってしまう？

よく噛んで食べると、交感神経の活動が活発になります。

交感神経は体のエネルギー消費を高める働きを持っており、その結果、褐色脂肪細胞という脂肪を分解し熱を生み出す細胞が活性化されます。これにより、体の代謝が上がります。

みなさんも、食事をとると体温が上がることを感じたことがあると思います。これは、食事をとることで実際に代謝が上がっているからです。

よく噛んで食べることを意識することで、代謝の良い体づくりを心がけましょう。咀嚼をしっかり行うことで、エネルギー消費が高まり、健康的な体を維持することができます。

咀嚼を意識して、代謝の良いからだづくりを心がけていきましょう。

4. よく噛むだけで変わる！咀嚼のメリットをおさらい

食事ひとくち当たりの理想の咀嚼回数は30回とされています。

多いと思ったみなさん、他の人の噛む回数に注目してみては？痩せている人は咀嚼回数が多いかもしれません…。

それでは、咀嚼のメリットをおさらいしていきます。

a. 過剰なカロリー摂取を防ぐ 私たちの体は、食事を始めてから約20分後に満腹中枢が刺激されます。しかし、早食いをすると、必要以上のカロリーを摂取してしまいます。よく噛んでゆっくり食べることで、満腹中枢を活用しましょう！

b. 食欲ホルモンのバランスを整える 咀嚼回数を増やすことで、食欲に関わるホルモンの働きが調整され、食欲が抑えられます。これにより、自然と食事量を抑えることができ、過食を防ぎます。噛む回数を増やすことで、食事量を15％減らすことができるという研究結果もあります。

c. 代謝を高める よく噛んで食べると、交感神経が活発になり、体のエネルギー消費が増加します。その結果、褐色脂肪細胞が活性化され、体の代謝が上がります。これにより、食事をとることで代謝が上がり、エネルギー消費が高まります。

d. 消化を助ける よく噛んで食べることで、食べ物が細かくなり、消化管が食べ物を処理しやすくなります。これにより、消化がスムーズに進み、胃腸への負担が軽減されます。

よく噛んで食べることは、満腹感を適切に感じ、食欲ホルモンのバランスを整え、代謝を高め、消化を助けるなど、多くの健康効果をもたらします！

まずは1度の食事の間に、「ひとくちでも30回咀嚼する」という小さな行動から始めてみては？

日常の食事に咀嚼を意識して取り入れることで、理想のからだを手に入れましょう！